独自用語
アーリー性(アーリーせい)
「会うべき人」優先順位表の横軸をなす、実績が少なくても自ら試す判断ができるかという、属性ではなく行動の履歴に表れる人や組織の「新しさへの態度」のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
アーリー性とは、人や組織の「新しさへの態度」のことです。第3章のイノベーターとアーリーアダプター(市場の16%)にあたる側がアーリー、対極が慎重派で、「会うべき人」優先順位表(図5-①)の横軸をなします。
実績も事例もない段階で優先したいのは、導入実績がなくても自社の課題と試す条件をもとに判断できる人です。「会う前に分かるのか」という疑問に、本書は、完全に見分ける方法はないが、性格診断ではなく過去の行動の履歴に手がかりがあると答えます。
その道具が図5-② アーリー性シグナル・チェックリストです。①会社の「宣言」(中期経営計画、トップの発言、新設部署の求人)、②キーパーソンの「発信」(登壇、取材、SNSやブログ)、③行動の「痕跡」(他社サービスの初期導入事例、PoCのプレスリリース、展示会への出展者側の関与)の3カテゴリ9項目を読みます。原則は「アーリー性は、属性(業種・規模・役職)ではなく、行動の履歴に表れる」。属性での絞り込みに加え「変化の痕跡がある会社」で絞り直します。
本書での位置づけ
初出は第5章の図5-①「会うべき人」優先順位表の横軸(P115)。続く節「アーリーアダプターの手がかりは会う前に集められる」(P117〜120)で図5-② アーリー性シグナル・チェックリストとして展開され、同章の「攻めの新規開拓」でも公開情報のシグナルとして再利用される。
本文より
「アーリーアダプターかどうかを見分けるために必要なのは、性格診断ではありません。過去の行動の履歴です。」(第5章)
「宣言は予算の予告編です。会社が公に約束したテーマには、予算と、実績を作りたい担当者が付いています。」(第5章)
関連用語
一般用語(本書での使い方)
アーリーアダプター(市場の16%)
(アーリーアダプター(しじょうのじゅうろくパーセント))
ロジャーズの採用者分類で、実績がそろう前でも自ら判断して動く13.5%の人。本書ではイノベーター2.5%と合わせた市場の16%を、実績ゼロでも買いうる相手として扱う概念のこと。
図版・フレーム名
「会うべき人」優先順位表
(あうべきひとゆうせんじゅんいひょう)
縦軸に「動かせる度」(4象限)、横軸に「新しさへの態度」(アーリー性)を置き、見込みリスト全員を1枚に並べて最初に会う相手を決める図(図5-①)のこと。
独自用語
会うべき人
(あうべきひと)
会いやすさではなく、購入の意思決定を動かせるか(Promoter・Authority)と新しさへの態度(アーリー性)で選ぶ、最優先で会う相手のこと。「会える人」の対概念。
一般用語(本書での使い方)
キャズム
(キャズム)
ジェフリー・ムーアが指摘した、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に横たわる深い溝。本書では市場の16%と84%の間で購買の論理が入れ替わる「新規事業最大の断崖」のこと。
図版・フレーム名
接点の優先順位
(せってんのゆうせんじゅんい)
実績ゼロの新規事業が「会うべき人」に会うために使える接点を、①既存のつながり②攻めの新規開拓③引き寄せの優先順に並べた枠組み(図5-④)のこと。
一般用語(本書での使い方)
PoC
(ピーオーシー)
導入前に解決策の効果を顧客の現場で確かめる実証実験。本書では、無償PoCの「好評」を購買の証拠とみなさず、決裁者と評価基準を先に合意して行うべきもののこと。
FAQ
アーリーかどうかは、会う前に分かりますか?
完全に見分ける方法はない、と本書は前置きしたうえで、新しいものに手を伸ばしてきた人や組織は公開情報の中に痕跡を残しているため、会う前に見当をつけられるとしています。中期経営計画、キーパーソンの発信、実証実験の履歴などが手がかりです。
業種や企業規模で見込み先を絞るのは間違いですか?
本書は属性での絞り込みを否定していません。「従業員1,000人以上の製造業」で絞ることに加えて、「変化の痕跡がある会社」で絞り直すことを勧めています。アーリー性は属性ではなく行動の履歴に表れる、というのが原則です。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。