一般用語(本書での使い方)
PoC(ピーオーシー)
導入前に解決策の効果を顧客の現場で確かめる実証実験。本書では、無償PoCの「好評」を購買の証拠とみなさず、決裁者と評価基準を先に合意して行うべきもののこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
Proof of Concept
PoC(実証実験)とは、導入前に解決策が機能するかを顧客の現場で試す取り組みです。本書は、PoCが好評でも有償契約に進まない状態を「好評止まり」の典型として扱います。序章の典型例では、現場で「これは便利だ」と評判でも有償契約はゼロで、PoCは「いったん、ここまでで」と静かに終わります。
根本原因②のとおり、無償のPoCで得られるのは「好評」であって、顧客がお金を払う理由、「どの数字がどれだけ改善するのか」の検証ではありません。現場だけで検証を進め、結果が出てから決裁者に説明すると、目的や評価方法から確認し直すことになります。
第9章は順番を逆にします。PoCを始める前に決裁者を巻き込み、「どの数値や状態を確認できれば本導入を検討するか」「どの条件なら見送るか」を先に合意しておく。決裁者が評価設計に加わることで、現場のお試しだったPoCは組織の意思決定プロセスに変わります。第12章は第2期 実証期の「PoCの壁」と名づけ、自己診断フロー18問のQ5で終了期限と有償化の判断基準の有無を問います。
本書での位置づけ
序章の典型例(P16〜17)と根本原因②(P26〜27)で初出。第9章「稟議書を顧客任せにするな」(P217〜219)のうちP219でPoC前の決裁者の巻き込みを扱い、第11章 図11-④(P270)、第12章 第2期 実証期の「PoCの壁」(P280)と自己診断フロー18問のQ5(P290)、巻末付録①記入例と付録⑦に再登場する。
本文より
「PoCはどれも「いったん、ここまでで」と静かに終わり、続きの話にはなりません。」(序章)
「決裁者が評価設計に加わることで、現場のお試しだったPoCが、組織の意思決定プロセスへ変わります。」(第9章)
関連用語
独自用語
好評止まり
(こうひょうどまり)
現場でも上層部でも評判はよく、名刺や労いの言葉は集まるのに、お金を払う顧客が現れず、その先へ進まない新規事業の状態を指す本書の命名のこと。
ボトルネック
PoCの壁
(ぴーおーしーのかべ)
18のボトルネックの5つ目で、第2期 実証期(MVP2)に起きやすいボトルネック。無償のPoCが「一旦ここまでで」と終わり続け、有償導入に進む条件を誰とも合意していない状態のこと。
期
第2期 実証期(MVP2)
(だいにき じっしょうき)
6つの期の2番目の期で、解決策が顧客の現場で効果を生む条件を確かめ、「効果は再現できるか」の問いに証拠つきで答えられる状態を目指す段階のこと。
独自用語
Authority(決める人)
(オーソリティ(きめるひと))
意思決定4象限マップの第2象限で、決定に近く体験から遠い決裁者のこと。部門長・役員・経営者など予算と決裁を握る人で、この人の署名がなければ現場が盛り上がっても1円も動かない。
独自用語
稟議支援
(りんぎしえん)
「提案までがこちらの仕事」という線引きをやめ、稟議のフォーマットや過去の類似案件、書きにくい項目を聞き出し、必要なら文面の下書きまで提供して顧客と一緒に稟議書を作る伴走支援のこと。
図版・フレーム名
3つの根本原因
(みっつのこんぽんげんいん)
売れない新規事業に共通する3つの原因。①「誰に売るか」未定のまま量を投下、②「効果があるか」未確認のまま拡販、③人脈依存のまま「売れた」と錯覚、のこと。
ツール・シート
自己診断フロー18問
(じこしんだんふろーじゅうはちもん)
6つの期×各3問=18問に「はい/いいえ」で答え、最初に「いいえ」が集中し始めた期を事業の現在地として確かめる、本書の自己診断ツールのこと。
ボトルネック
機能語りの罠
(きのうがたりのわな)
18のボトルネックの4つ目で、第2期 実証期(MVP2)に起きやすいボトルネック。機能は説明できても、導入後の変化や効果を顧客側の数字・事実で語れない状態のこと。
FAQ
PoCで好評を得ているのに有償契約に進まないのはなぜですか?
本書は、無償PoCで得られるのは「好評」であって、顧客がお金を払う理由の検証ではないと説明します。「どの数字がどれだけ改善するのか」と、何がどうなれば本導入を検討するのかが決裁者と合意されていないと、PoCは静かに終わります。
PoCを始める前に何を決めておくべきですか?
決裁者を巻き込み、「どの数値や状態を確認できれば本導入を検討するか」「どの条件なら見送るか」を先に合意しておくことです。自己診断フロー18問のQ5では、PoCに終了期限と有償化の判断基準があるかを確かめます。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。