図版・フレーム名
課題の4層構造(かだいのよんそうこうぞう)
顧客の課題を第1層 理想→第2層 現状→第3層 原因→第4層 阻害要因の順に掘り下げ、今日まで解決されなかった理由まで届かせるヒアリングの枠組み(図6-①)のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
課題の4層構造とは、顧客の課題を第1層 理想(本当はどうなっていたいのか)、第2層 現状(実際はどうなっているのか)、第3層 原因(なぜそのギャップが生まれているのか)、第4層 阻害要因(なぜ今まで解決できなかったのか)の順に掘り下げる枠組みです(図6-①)。課題とは理想と現状のギャップのことです。
掘る理由は、顧客の第一声は症状やすでに考えている解決手段であることが多く、それだけを課題と捉えると解決策を間違えるからです。ヒアリングは「聞き出す」作業ではなく、顧客と一緒に課題を「組み立てる」作業と捉えます。
使い方は、語られ方まで観察する「受け取る」と仮説を持って確かめる「踏み込む」の往復です。例では第一声「接客の質を上げたい」が、第4層では作る時間も人もなく過去に挫折した、という阻害要因に行き着き、提案は接客研修から、挫折した言語化をやり切る方法へ変わります。第4層は今日まで解決されなかった理由そのもので、対処できるのは「実行できる状態」まで。「今やる理由」は時間軸から生まれます。
本書での位置づけ
第6章「顧客は、本当の課題を語らない」(P141〜145)に図6-①として掲載。ルール3の中核技術で、「受け取る」「踏み込む」の2つのスタンスとセット。終章の営業マインド5箇条「第一声を鵜呑みにしない」と、自分ごと化の4トリガー②潜在課題への気づきに接続する。
本文より
「重要なのは、第4層の阻害要因は、「この課題が今日まで解決されなかった理由」そのものであるということです。」(第6章)
「ヒアリングを「受け取る」と「踏み込む」の2つのスタンスに分け、それらを往復しながら課題を4層まで掘る。これだけです。」(第6章)
関連用語
独自用語
Why Now
(ホワイナウ)
買い手が「いつか」ではなく「今」動く理由のこと。現状維持という最強の競合を上回る動機であり、待つものではなく営業側が顧客の中から掘り当て、醸成するもののこと。
一般用語(本書での使い方)
ジョブ理論
(ジョブりろん)
顧客は商品そのものを買うのではなく、片づけたい用事(ジョブ)のために商品を「雇う」と捉える、経営学者クレイトン・クリステンセンらが発展させた理論のこと。
独自用語
3つの鉱脈(変化・圧力・失敗)
(みっつのこうみゃく(へんか・あつりょく・しっぱい))
課題の構造の次に掘る「時間軸」の手がかりで、顧客の中に埋まったWhy Nowの原石が見つかる3つの場所(変化・圧力・失敗)と、それぞれを掘る質問群のこと。
図版・フレーム名
自分ごと化の4トリガー
(じぶんごとかのよんトリガー)
図6-③。顧客が商談を「自分ごと」として身を乗り出す4つの引き金(①顕在課題 ②潜在課題への気づき ③外部環境の危機感 ④人・サービスへの応援)を整理した枠組みのこと。
図版・フレーム名
②潜在課題への気づき
(せんざいかだいへのきづき)
自分ごと化の4トリガーの2つ目で、課題の4層を掘る対話の中で顧客が「言われてみれば」と気づく状態のこと。第6章の課題ヒアリングに対応する理屈の引き金。
キーメッセージ
第一声を鵜呑みにしない
(だいいっせいをうのみにしない)
営業マインド5箇条の第二条。顧客の第一声にそのまま応じず、その一段奥にある本当の課題を一緒に組み立て、必要なら反論もためらわない伴走者の姿勢のこと。
FAQ
顧客に課題を聞いても大したものが出てこないのはなぜですか?
本書は、商談で「課題の押し付け」か「わかったつもり」のどちらかが起きていることが多いと指摘します。顧客が最初に語るのは症状やすでに考えている解決手段であることが多く、本当の課題は顧客自身も言語化できていないため、一緒に組み立てる姿勢が必要です。
第4層の阻害要因まで掘れると、何が変わりますか?
提案の言葉が変わります。阻害要因は「この課題が今日まで解決されなかった理由」そのものなので、時間がない・担当者がいない・過去に失敗したといった要因に対処できれば、顧客が感じる導入の難しさを小さくし、実行できる状態をつくれます。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。