ツール・シート
断り文句の翻訳表(ことわりもんくのほんやくひょう)
「予算がない」「忙しい」などの定型の断り文句ごとに、考えられる背景(商談で確かめる仮説)と、その場で確かめる質問を対応づけた表のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
「予算がない」「忙しい」といった断り文句は、同じ台詞でも背景は一つとは限りません。翻訳表は、定型文ごとに考えられる背景(商談で確かめる仮説)と、その場で確かめる質問を対応づけた表です。第8章の図8-②が代表3類型、巻末付録⑤が「ニーズがない」「上と相談してみます」「他社の導入実績は?」を加えた6類型のフル版です。
本書は断り文句を「見送り理由を探る入口」と位置づけます。「予算がない」と言われたら予算化が難しい理由を確かめ、複数の企業で予算科目や主管部門が定まっていないという回答が重なれば、次の商談から「どの予算で買われ得るか」を先に設計して臨めます。質問の目的は断りを切り返すことではなく、次の仮説を採取することです。
商談を「検証装置」にする3つの技術の1つ目として使い、検証ログ「1商談1ページ」の項目3「断り文句と翻訳」には定型文のまま書かず、実際に起きていることに翻訳して記録します。第9章のテストクロージングでも「翻訳表の出番」として参照され、終章の最初の一歩③にもつながります。
本書での位置づけ
初出は第8章「【装置を動かす技術❶】断り文句を「翻訳」する技術」(P190〜191、図8-②「断り文句の翻訳表 3類型」)。フル版は巻末付録⑤「断り文句翻訳表」(P319)。ルール5の道具で、図8-③ 検証ログ「1商談1ページ」の項目3と連動し、第9章のテストクロージング(P221)で「第8章の翻訳表の出番」として参照され、終章の最初の一歩③(P307〜308)でも、断り文句をそのまま書いて裏にある理由の仮説を立てることが求められる。
本文より
「断られたときに質問をする目的は、断りを「切り返して」受注をもぎ取ることではなく、次の仮説を採取することです。」(第8章)
「断り文句は、次の勝ち筋の仮説をつくるための材料なのです。」(第8章)
関連用語
独自用語
検証装置
(けんしょうそうち)
新規事業の商談を、売上をつくる場であると同時に、オフィスの中では手に入らない顧客の「事実」を採取する場として設計・運用する考え方のこと。
ツール・シート
1商談1ページ
(いちしょうだんいちページ)
今日の仮説・採れた事実・断り文句と翻訳・課題強度スコア・チェックリスト10の充足・仮説の更新・次のアクションの7項目を、商談当日中に10分で書く検証ログの書式のこと。
ルール
ルール5 売りながら学ぶ
(ルールご うりながらまなぶ)
7つのルールの5番目で、断られた商談を損失ではなく検証データとして回収し、商談前に仮説を立て、商談後に事実を記録して仮説を磨き続ける、商談を検証装置にする設計原則のこと。
独自用語
Why Now
(ホワイナウ)
買い手が「いつか」ではなく「今」動く理由のこと。現状維持という最強の競合を上回る動機であり、待つものではなく営業側が顧客の中から掘り当て、醸成するもののこと。
ルール
感想ではなく事実
(かんそうではなくじじつ)
商談の聞き取りと記録において、「反応良好」といったその場の解釈(感想)ではなく、顧客の発言の引用・観測した行動・過去の支払いなどの事実だけを扱う本書の規律のこと。
ツール・シート
実務ツールキット
(じつむツールキット)
本編に登場したツールのうち、商談の現場で使用頻度が最も高い7つを巻末に一本化した付録のこと。ダウンロード不要で、記入例で型をつかみ枠組みを写して使う。
FAQ
断り文句の翻訳表は、断りを切り返すためのトークスクリプトですか?
いいえ。本書では、断りを切り返して受注をもぎ取るためではなく、断り文句の背景に仮説を持ち、質問で確かめて次の仮説を採取するために使います。断り文句は次の勝ち筋の仮説をつくるための材料です。
翻訳表の全体はどこに載っていますか?
第8章の図8-②は「予算がない」「忙しい」「今すぐは検討できない」の代表3類型です。フル版は巻末付録⑤で、「ニーズがない」「上と相談してみます」「他社の導入実績は?」を加えた6つの断り文句を収録しています。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。