キーメッセージ
事例が事例を呼ぶ(じれいがじれいをよぶ)
最初の1社の事例に反応して来た「似た会社」を次の事例候補にし、事例が次の事例を生む循環のこと。事例は振り返って書くものではなく、最初の商談から設計して作るという第11章の命題。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
「事例が事例を呼ぶ」とは、本書第11章の主題で、最初の1社の事例が次の事例を呼び込むサイクルのことです。前提は、事例は成果が出た後に「振り返って書くもの」ではなく、最初の商談の時点から「設計して作るもの」だという考え方です。実績ゼロのチームが事例を持てないのは、事例を作る段取りを踏んでいないからです。
理由は同調性バイアスにあります。人が影響されるのは自分と似た誰かであり、100社のロゴの羅列より同じ業界・規模・課題の1社の深い事例のほうが強い。だから最初の1社の事例は量産より深掘りに価値があります。
サイクルは5ステップです。①ビーチヘッドの中心にいる「事例になれる1社」を選ぶ。②事例化を価格優遇の対価として導入前に合意する。③導入前にしか測れない「ビフォー」の数字を記録する。④基本の4問で顧客に語ってもらい、3条件を満たす形に編集する。⑤事例を配り、反応した「似た会社」を2社目の候補として①へ戻す。1本目は腕力で作るしかありませんが、2本目からはサイクルが半分作ってくれます。
本書での位置づけ
第11章「事例が事例を呼ぶ」の章題。同章の節「実績ゼロから「最初の事例」をつくる5つのステップ」(P263〜267)と図11-③「事例が事例を呼ぶサイクル」(P264)に対応。第1章の同調性バイアスの節(P45)で「事例が事例を呼ぶ設計は、第11章で扱います」と予告される。
本文より
「結論を先に言うと、事例は、成果が出た後に「振り返って書くもの」ではありません。最初の商談の時点から「設計して作るもの」です。」(第11章)
「2社目をSTEP①に戻して同じ手順を回す。これが「事例が事例を呼ぶ」サイクルの正体です。1本目だけは腕力で作るしかありません。しかし2本目からは、サイクルが半分作ってくれます。」(第11章)
関連用語
図版・フレーム名
効く事例の3条件
(きくじれいのさんじょうけん)
導入事例が商談で働くために満たすべき3条件、類似性(これはうちの話だと思えるか)・権威性(誰がどの立場から語るか確認できるか)・具体性(数字と固有名詞で語られているか)のこと。
独自用語
同調性バイアス
(どうちょうせいバイアス)
一人で決めにくいとき周囲の判断に合わせる「同調」が購買判断に表れる傾向を本書で名付けたもの。4つのブレーキの③で、「他社さんの導入実績は?」の質問となって商談に現れるもののこと。
一般用語(本書での使い方)
ビーチヘッド
(ビーチヘッド)
マーケティングで「最初に上陸する一点」を指す語。本書では、誰に売るかと同時に「誰に(まだ)売らないか」を決め、最初に攻める市場・顧客層を絞る設計のこと。
キーメッセージ
最初の1社を、次の10社に変える
(さいしょのいっしゃを、つぎのじっしゃにかえる)
最初の有償顧客を放置せず、導入後の成果に伴走して語れる事例にすれば、その1社が次の10社を連れてくるという、第11章の副題であり本書の主張のこと。
独自用語
実績ゼロ
(じっせきゼロ)
導入実績も事例も人脈もない状態から新しいものを売らなければならない時期や立場を指す、本書全体が想定する営業の出発点のこと。
独自用語
紹介の3原理
(しょうかいのさんげんり)
Dropboxの紹介プログラムから抽出した、①紹介を「お願い」ではなく「仕組み」にする②「両得」に設計する③紹介の摩擦を最小にする、の3原理のこと。
FAQ
実績ゼロなのに、どうやって最初の事例を作るのですか。
本書は、最初の商談から事例を「設計して作る」ことを勧めます。事例になれる1社を選び、事例化を取引条件として導入前に合意し、効果の物差しと導入前の数字を先に記録しておく、という段取りです。
事例インタビューでは何を聞けばよいですか。
基本の4問で足ります。導入前に一番困っていたこと、決め手、導入後の変化(数字で言うと)、どんな会社に薦めたいか。最後の答えは次のターゲット仮説になり、答えを3条件を満たす形に編集します。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。