キーメッセージ
最初の1社を、次の10社に変える(さいしょのいっしゃを、つぎのじっしゃにかえる)
最初の有償顧客を放置せず、導入後の成果に伴走して語れる事例にすれば、その1社が次の10社を連れてくるという、第11章の副題であり本書の主張のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
第11章「事例が事例を呼ぶ」の副題です。新規事業にとって最初の1社は「売上」である以上に「証拠」だと本書は言います。買い手は「他社さんの実績は?」と聞いてきますが、実績・事例・相場という武器が新規事業には何一つありません。最初の1社はその武器庫に収まった最初の一つで、失えば契約金額の何倍もの資産を失います。
典型例では、受注直後のチームが事業計画の目標に追われて新規商談に張り付き、1社目の導入支援は「商談の合間に見る仕事」になり、半年後に契約更新を失います。締め切りのある新規商談は、締め切りのない既存フォローにいつも勝つからです。悪意がなくても、構造が顧客を放置するのです。
本書は、受注直後こそ新規開拓より最初の1社の成功に資源を寄せることを勧めます。売れ「続ける」構造は新規アタックリストではなく、すでに買ってくれた1社の中にあります。第11章はこれを6ステップ後半のRetain(継続)とExpand(拡大)として扱い、終章の第五条「売って終わりにしない」の根拠にもなっています。
本書での位置づけ
第11章「事例が事例を呼ぶ」の副題(P250)。節「新規顧客を追うほど、売上は遠ざかる」(P250〜254)で展開され、章末の上司・決裁者への説明サマリー(P272)に要約される。終章の営業マインド5箇条・第五条「売って終わりにしない」(P300〜301、図13-①)で再登場。
本文より
「逆にこの1社を成功させ、語れる形にできれば、1社が次の10社を連れてきます。」(第11章)
「売れ「続ける」構造は、新規アタックリストの中ではなく、すでに買ってくれたその1社の中にあるのです。」(第11章)
関連用語
キーメッセージ
事例が事例を呼ぶ
(じれいがじれいをよぶ)
最初の1社の事例に反応して来た「似た会社」を次の事例候補にし、事例が次の事例を生む循環のこと。事例は振り返って書くものではなく、最初の商談から設計して作るという第11章の命題。
キーメッセージ
売って終わりにしない
(うっておわりにしない)
営業マインド5箇条の第五条。売ったあとの成果に責任を持って伴走するからこそ最初の1社が次の10社を連れてくるという、契約後を起点に事例と信頼を生む姿勢のこと。
図版・フレーム名
営業マインド5箇条
(えいぎょうマインドごかじょう)
著者が営業マネージャー時代から手放さずにいる、売らずに選ばれる/第一声を鵜呑みにしない/応援を設計する/点ではなく線で付き合う/売って終わりにしない、の5つの心得のこと。
図版・フレーム名
顧客が買うまでの6ステップ
(こきゃくがかうまでのろくステップ)
新規事業の営業をDefine・Reach・Insight & Solution・Convert・Retain・Expandの6段階で捉えた地図のこと。役目は現在地の把握にある。
独自用語
実績ゼロ
(じっせきゼロ)
導入実績も事例も人脈もない状態から新しいものを売らなければならない時期や立場を指す、本書全体が想定する営業の出発点のこと。
図版・フレーム名
効く事例の3条件
(きくじれいのさんじょうけん)
導入事例が商談で働くために満たすべき3条件、類似性(これはうちの話だと思えるか)・権威性(誰がどの立場から語るか確認できるか)・具体性(数字と固有名詞で語られているか)のこと。
独自用語
買われる仕組み
(かわれるしくみ)
売れない根本原因は営業力やプロダクトではなく、これが設計されていないことにあるとする本書の中核概念で、「誰に・なぜ今・どう買ってもらうか」を売る前に定めた構造のこと。
FAQ
なぜ新規事業では最初の1社がそれほど重要なのですか?
本書によれば、最初の1社は「売上」である以上に「証拠」だからです。買い手は「他社さんの実績は?」と聞いてきますが、新規事業には実績・事例・相場がありません。最初の1社はその武器庫に収まった最初の一つで、失えば契約金額の何倍もの資産を失います。
受注直後、新規開拓と1社目のフォローはどちらを優先すべきですか?
本書は、受注直後こそ新規開拓より最初の1社の成功に資源を寄せるべきだとします。締め切りのある新規商談は締め切りのない既存フォローにいつも勝ち、悪意がなくても構造によって顧客が放置されてしまうからです。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。