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独自用語
同調性バイアス(どうちょうせいバイアス)
一人で決めにくいとき周囲の判断に合わせる「同調」が購買判断に表れる傾向を本書で名付けたもの。4つのブレーキの③で、「他社さんの導入実績は?」の質問となって商談に現れるもののこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
同調性バイアスとは、一人で決めにくいとき周囲の判断に合わせる「同調」が購買判断に表れる傾向を本書で名付けたもので、4つのブレーキの③です。アッシュの線分実験では、周囲がそろって誤答すると約37%で多数派に同調しました。
重要なのは、これが実績ゼロの事業が最も答えに詰まる質問「他社さんの導入実績は?」として現れるからです。BtoBでは他社実績は社内で説明する材料でもあり、実績のない新サービスで失敗した方が選定理由を厳しく問われます。既存事業では追い風のこの質問が、武器庫のない新規事業では逆風になります。
対処は3つです。第一に、検証データ・第三者の声・プロセスの開示という「実績」の代替証拠を種類ごとにそろえること。第二に、導入社数より「似ている度」で勝負し、同じ業界・規模・課題の1社の事例を深く語ること。第三に、正直さと証拠をセットで返す話法を準備すること。他社実績を必要としない買い手も確実に存在し、同調性のブレーキが全員に同じ強さでかからないことが、実績ゼロの突破口になります。
本書での位置づけ
4つのブレーキの③。第1章の節「なぜ「他社の導入実績」を問われるのか【同調性バイアス】」(P42〜45)で本書が命名。図1-2「買い手ブレーキ診断表」の対処は「実績の代替証拠を種類で揃える/「似ている1社」を深く語る」。第3章の「武器庫が空の戦場」、第4章・第5章の「会うべき人」、第11章「事例が事例を呼ぶ」に接続します。
本文より
「自分だけで決めにくいとき、人は周囲の判断に合わせやすくなります。心理学では、この行動を「同調」と呼びます。本書では、購買判断に表れる同調の傾向を「同調性バイアス」と呼びます。」(第1章)
「同調性のブレーキは、全員に同じ強さでかかっているわけではない。この事実は、実績ゼロの事業の突破口になります。」(第1章)
関連用語
図版・フレーム名
4つのブレーキ
(よっつのブレーキ)
買い手の脳に標準装備された、新しいものを買わない方向に働く4つの心理バイアス(現状維持・近視眼・同調性・参照点)を、商談で出る典型セリフと対処とともに整理した基本フレームのこと。
独自用語
実績ゼロ
(じっせきゼロ)
導入実績も事例も人脈もない状態から新しいものを売らなければならない時期や立場を指す、本書全体が想定する営業の出発点のこと。
キーメッセージ
事例が事例を呼ぶ
(じれいがじれいをよぶ)
最初の1社の事例に反応して来た「似た会社」を次の事例候補にし、事例が次の事例を生む循環のこと。事例は振り返って書くものではなく、最初の商談から設計して作るという第11章の命題。
図版・フレーム名
8つの「ない」
(やっつのない)
既存事業にはあって新規事業にはない8つの前提(実績・事例・営業の型・紹介の連鎖・価格の相場・予算科目・前例・成功と失敗のデータ)を対比した第3章の比較表のこと。
一般用語(本書での使い方)
アーリーアダプター(市場の16%)
(アーリーアダプター(しじょうのじゅうろくパーセント))
ロジャーズの採用者分類で、実績がそろう前でも自ら判断して動く13.5%の人。本書ではイノベーター2.5%と合わせた市場の16%を、実績ゼロでも買いうる相手として扱う概念のこと。
一般用語(本書での使い方)
PoC
(ピーオーシー)
導入前に解決策の効果を顧客の現場で確かめる実証実験。本書では、無償PoCの「好評」を購買の証拠とみなさず、決裁者と評価基準を先に合意して行うべきもののこと。
FAQ
なぜ買い手は「他社の導入実績」を聞くのですか?
新しいサービスには選んでよいかの基準がなく、他社の選択が判断の手がかりになるからです。BtoBでは社内説明の材料でもあり、実績のない新サービスで失敗した場合の方が選定理由を厳しく問われるため、責任を持つための確認でもあります。
実績ゼロのとき、何を示せばよいですか?
本書は3つを挙げます。①検証データ・第三者の声・プロセスの開示という代替証拠を種類ごとにそろえる。②導入社数より「似ている度」で勝負し、似た1社の事例を深く語る。③正直さと証拠をセットで返す話法を商談前に準備する。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。