独自用語
社内の顧客(しゃないのこきゃく)
大企業の新規事業において、市場の顧客と並ぶもう一種類の顧客として本書が位置づける、事業の予算を握る社内の決裁者たちのこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
社内の顧客とは、大企業の新規事業で事業の予算を握る決裁者たちを指す本書の言い方です。市場の顧客と並ぶ二種類目の顧客であり、著者は「社内の決裁者も一人の『買い手』です」と述べます。決裁者は、市場性の見通し、他社の類似事例、自社の検証で得られた小さな実績といった限られた情報で、予算を「支払う」かどうかを判断しています。
この見方に立つと、四半期ごとの実績報告は「義務としての報告」ではなく、社内向けの事例制作になります。効く事例を作るSTEP③(効果の物差しを導入前に決める)とSTEP④(顧客の言葉でインタビューする)の技術がそのまま使えます。
図11-④「決裁者向け実績報告の1枚構成」は、上段に変化の数字(売上が立たない時期は第7章の兆しのダッシュボード)、中段に実名または属性つきの顧客の生の言葉、下段に次の検証計画と事前に合意した判断基準に照らした現在地を載せます。報告が事例として機能すると、予算は「お願い」ではなく「証拠の提示」で更新されます。社内でも、事例が事例を呼ぶのです。
本書での位置づけ
第11章「社内にも「事例」は効く——実績報告が次の予算を連れてくる」(P269〜272)に登場し、図11-④「決裁者向け実績報告の1枚構成」(P270)と対応する。事例が事例を呼ぶサイクルの応用編であり、章末の上司・決裁者への説明サマリーもこの考え方に基づく道具として位置づけられる。
本文より
「大企業の新規事業には、顧客が二種類いるからです。市場の顧客と、社内の顧客、つまり、あなたの事業の予算を握る決裁者たちです。」(第11章)
「実績が次の予算を連れてくる。社内でも、事例が事例を呼ぶのです。」(第11章)
関連用語
キーメッセージ
事例が事例を呼ぶ
(じれいがじれいをよぶ)
最初の1社の事例に反応して来た「似た会社」を次の事例候補にし、事例が次の事例を生む循環のこと。事例は振り返って書くものではなく、最初の商談から設計して作るという第11章の命題。
図版・フレーム名
効く事例の3条件
(きくじれいのさんじょうけん)
導入事例が商談で働くために満たすべき3条件、類似性(これはうちの話だと思えるか)・権威性(誰がどの立場から語るか確認できるか)・具体性(数字と固有名詞で語られているか)のこと。
ツール・シート
上司・決裁者への説明サマリー
(じょうし・けっさいしゃへのせつめいサマリー)
各章末に置かれたコラムで、章の要点を上司や決裁者に渡せる判断材料として箇条書きにした、切り取ってそのまま使える社内営業ツールのこと。
独自用語
社内営業ツール
(しゃないえいぎょうツール)
提案書などの資料を、売り手の営業資料ではなく、顧客の担当者が売り手の代わりに社内で営業(説明・稟議)するための道具として設計する考え方のこと。
独自用語
兆しのダッシュボード
(きざしのダッシュボード)
売上ゼロの期間に、売上や受注件数の代わりに、顧客からの再アポ・他部署の同席・導入手続きへの質問などの兆しが何か点灯しているかで事業の前進を測る指標群のこと。
ボトルネック
PoCの壁
(ぴーおーしーのかべ)
18のボトルネックの5つ目で、第2期 実証期(MVP2)に起きやすいボトルネック。無償のPoCが「一旦ここまでで」と終わり続け、有償導入に進む条件を誰とも合意していない状態のこと。
FAQ
売上がまだ立たない時期の実績報告には何を載せればよいですか?
本書は、第7章の兆しのダッシュボード、つまり顧客側からの再アポ、他部署の同席、有償検証への転換率を「変化の数字」として使い、「進捗なし」ではなく「何がどこまで検証されたか」を示すよう勧めています。
決裁者に継続・撤退を判断してもらうにはどう報告すればよいですか?
PoCを始める前に、何がどうなれば継続し、どの条件なら修正または撤退するかを決裁者と共有し、報告では合意した基準に照らして検証の現在地を示します。図11-④では、基準を先に握り決裁者を「共犯者」にすると表現されています。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。