独自用語
応援(おうえん)
実績ゼロ期に理屈を組み上げても届かないとき、顧客が「この人がやろうとしていることを、面白いと思う。懸けてみたい」と買う買われ方で、実績が要らない唯一の感情の引き金のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
応援とは、理屈を尽くしても「実績がまだ無いですよね」と言われる時期に、顧客が「この人がやろうとしていることを、面白いと思う。懸けてみたい」と買ってくれる買われ方のことです。自分ごと化の4トリガーの④にあたり、①〜③が理屈の引き金であるのに対し、④だけが感情の引き金です。
本書が強調するのは、応援に実績が要らない点です。①〜③を精緻に組んでも実績の壁を越えられないとき、④は唯一の道筋になります。著者(中山健彦)の1社目の最初の受注理由も「あなたの話が一番面白かったから」でした。応援で買った最初の数社が事例となり、①や③で買う顧客への道が開けます。応援で始まった関係は長く深く続き、最も強い顧客関係の入口です。
ただし想いを語るだけでは応援は生まれません。受注に変わるのは、①Whyが語られている、②相手に「役」が差し出されている、③先行者への報いが設計されている、の3つがそろったときです。足りないのはたいてい熱量ではなく②と③の設計です。終章では第三条「応援を設計する」として再登場します。
本書での位置づけ
初出は第6章「人は理屈より先に、「応援」で買う」(P154〜156)。図6-③ 自分ごと化の4トリガーの④人・サービスへの応援として位置づけられ、「顧客は「仲間」に、応援は「長期関係性」に」(P156〜158)で応援が受注に変わる3条件とFree Sparkの実装例が、続く「水をかけられた日、営業は「語り」に変わった」(P158〜162)と図6-④ Why/What/Howストーリーシート(P161)でWhyから語る技術が示される。終章の営業マインド5箇条 第三条「応援を設計する」(P300)で再登場。
本文より
「応援は、実績ゼロ期をしのぐための間に合わせではなく、最も強い顧客関係の入口なのです。」(第6章)
「ただし、想いを語るだけでは応援は生まれません。相手に「役」を差し出し、参加が報われる形まで作る(第6章)。応援は、実績の代わりになる唯一の資産です。」(終章)
関連用語
図版・フレーム名
自分ごと化の4トリガー
(じぶんごとかのよんトリガー)
図6-③。顧客が商談を「自分ごと」として身を乗り出す4つの引き金(①顕在課題 ②潜在課題への気づき ③外部環境の危機感 ④人・サービスへの応援)を整理した枠組みのこと。
図版・フレーム名
④人・サービスへの応援
(ひと・サービスへのおうえん)
自分ごと化の4トリガーの4つ目で唯一の感情の引き金。「この人がやろうとしていることを、面白いと思う。懸けてみたい」という応援で、実績がなくても顧客が動くこと。
ツール・シート
Why/What/Howストーリーシート
(ホワイ・ホワット・ハウストーリーシート)
Why(なぜやるのか)→What(何を実現したいのか)→How(どうやって)の3欄を埋め、商品説明ではなくWhyから話す順番で自分の事業を語れるようにする本書のシートのこと。
独自用語
実績ゼロ
(じっせきゼロ)
導入実績も事例も人脈もない状態から新しいものを売らなければならない時期や立場を指す、本書全体が想定する営業の出発点のこと。
一般用語(本書での使い方)
アーリーアダプター(市場の16%)
(アーリーアダプター(しじょうのじゅうろくパーセント))
ロジャーズの採用者分類で、実績がそろう前でも自ら判断して動く13.5%の人。本書ではイノベーター2.5%と合わせた市場の16%を、実績ゼロでも買いうる相手として扱う概念のこと。
キーメッセージ
応援を設計する
(おうえんをせっけいする)
営業マインド5箇条の第三条。実績ゼロの時期に顧客が買うのは挑戦の物語であることがあるが、想いを語るだけでは足りず、相手に「役」を差し出し参加が報われる形まで作ること。
FAQ
想いを熱心に語っているのに売れないのはなぜですか?
本書は、足りないのはたいてい想いの熱量ではなく設計だと指摘します。応援が受注に変わるには、Whyの物語に加えて、相手に仲間としての「役」が差し出されていることと、最初の仲間になったことが後から必ず報われる「先行者への報い」が設計されていることが要ります。
応援で買ってもらうのは、実力で選ばれていないということですか?
著者はかつてそう感じて恥じていましたが、今は新規事業の初期フェーズにおける正当な購買理由だと述べています。アーリーアダプターは「誰が、なぜ、この事業を行うのか」という物語も判断材料にし、応援で買った数社が事例となって次の顧客への道を開くからです。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。