一般用語(本書での使い方)
アーリーアダプター(市場の16%)(アーリーアダプター(しじょうのじゅうろくパーセント))
ロジャーズの採用者分類で、実績がそろう前でも自ら判断して動く13.5%の人。本書ではイノベーター2.5%と合わせた市場の16%を、実績ゼロでも買いうる相手として扱う概念のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
Early Adopter
社会学者エベレット・ロジャーズが『イノベーションの普及』で、新しいものを採り入れる時期の早さにより人々を5つに分けた採用者分類の一つです。イノベーター(2.5%)に続く13.5%が「先行者利益のために、実績がそろう前でも自ら判断して動く人」、アーリーアダプターです。
本書が重視するのは分類より「比率」です。実績も事例もない段階の商材を買いうるのは、両者を合わせた市場の16%にすぎず、残りの84%は「実績と事例がそろってからでないと買わない」人たちです。既存事業の営業はこの84%を相手にする技術で、根性を見せても84%は16%には変わりません。
第5章では「会うべき人」優先順位表の横軸(アーリー性)として再登場し、最初に会うべき相手は「アーリーアダプターであるPromoter、またはAuthority」とされます。アーリーかどうかは性格診断ではなく過去の行動の履歴に表れ、会う前に公開情報で見当をつけられます。第6章では、実績が少ない時期に事業の物語も判断材料にする相手として再登場します。
本書での位置づけ
初出は第3章「最初の顧客は、実績がない状態で売らなければならない」(P94〜97)の図3-④「ロジャーズの採用者分布とキャズム」。第5章の図5-①「会うべき人」優先順位表の横軸と図5-②アーリー性シグナル・チェックリスト、第6章「人は理屈より先に、「応援」で買う」で再参照される。
本文より
「実績も事例もない段階のあなたの商材を買いうるのは、最初の2.5%と次の13.5%、合わせても市場の16%にすぎない。」(第3章)
「アーリーアダプターかどうかを見分けるために必要なのは、性格診断ではありません。過去の行動の履歴です。」(第5章)
関連用語
独自用語
アーリー性
(アーリーせい)
「会うべき人」優先順位表の横軸をなす、実績が少なくても自ら試す判断ができるかという、属性ではなく行動の履歴に表れる人や組織の「新しさへの態度」のこと。
一般用語(本書での使い方)
キャズム
(キャズム)
ジェフリー・ムーアが指摘した、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に横たわる深い溝。本書では市場の16%と84%の間で購買の論理が入れ替わる「新規事業最大の断崖」のこと。
図版・フレーム名
「会うべき人」優先順位表
(あうべきひとゆうせんじゅんいひょう)
縦軸に「動かせる度」(4象限)、横軸に「新しさへの態度」(アーリー性)を置き、見込みリスト全員を1枚に並べて最初に会う相手を決める図(図5-①)のこと。
独自用語
会うべき人
(あうべきひと)
会いやすさではなく、購入の意思決定を動かせるか(Promoter・Authority)と新しさへの態度(アーリー性)で選ぶ、最優先で会う相手のこと。「会える人」の対概念。
独自用語
好評止まり
(こうひょうどまり)
現場でも上層部でも評判はよく、名刺や労いの言葉は集まるのに、お金を払う顧客が現れず、その先へ進まない新規事業の状態を指す本書の命名のこと。
独自用語
応援
(おうえん)
実績ゼロ期に理屈を組み上げても届かないとき、顧客が「この人がやろうとしていることを、面白いと思う。懸けてみたい」と買う買われ方で、実績が要らない唯一の感情の引き金のこと。
FAQ
アーリーアダプターとイノベーターは何が違うのですか?
イノベーター(2.5%)は新しさそのものに価値を感じ、未完成でも試す人。アーリーアダプター(13.5%)は先行者利益のために、実績がそろう前でも自ら判断して動く人です。本書では両者を合わせた16%を、実績ゼロでも買いうる相手の上限として扱います。
アーリーアダプターかどうかは、会う前に分かりますか?
完全に見分ける方法はありませんが、本書は性格診断ではなく過去の行動の履歴を手がかりにします。会社の「宣言」、キーパーソンの「発信」、行動の「痕跡」の3カテゴリを公開情報で確認する方法を第5章で示しています。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。