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独自用語
近視眼バイアス(きんしがんバイアス)
法人購買で、担当者が将来の効果より目先の導入負担を重く感じてしまう傾向を本書で名付けたもの。4つのブレーキの②で、「前向きに検討します(=今はやらない)」を生む心理のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
近視眼バイアスとは、法人購買で担当者が将来の効果より目先の導入負担を重く感じる傾向を本書で名付けたもので、4つのブレーキの②です。根拠は、オドノヒューとラビンが示した先延ばしのメカニズムと、その土台にあるレイブソンの「双曲割引モデル」(時間的に近い出来事ほど割引率が高くなる)です。
重要なのは、提案の利益は3年後なのに、稟議書や上司への説明、現場への周知の手間は今日発生するからです。3年後の大きな利益は双曲割引で小さく圧縮され、今日の小さな手間は拡大されます。「前向きに検討します(=今はやらない)」はこうして生まれ、商談では「落ち着いたら検討します」などのセリフとして現れます。
対処は2つです。第一に、利益を「近く」に置き換え、3年後のROIより「最初の30日で何が変わるか」を主役にし、効果試算に「3年累計」と「初月」の両方を載せること。第二に、初期設定の代行やデータ移行、社内説明用資料の用意で「今日の手間」を営業が肩代わりし、買い手にやってもらうことを数えられるくらいまで減らすことです。
本書での位置づけ
4つのブレーキの②。第1章の節「3年後の利益は、今日の手間に負ける【近視眼バイアス】」(P39〜42)で本書が命名。図1-2「買い手ブレーキ診断表」の対処は「初月の利益を約束する/今日の手間を肩代わりする」で、社内説明用資料の設計は第9章の「社内営業ツール」、今動く理由づくりは第6章のWhy Nowに接続します。
本文より
「法人購買でも、担当者が将来の効果より目先の導入負担を重く感じる場合があります。本書ではこれを「近視眼バイアス」と呼びます。」(第1章)
「3年後の大きな利益は双曲割引で小さく圧縮され、今日の小さな手間は「今」の重み付けで拡大される。「前向きに検討します(=今はやらない)」は、こうして生まれるのです。」(第1章)
関連用語
図版・フレーム名
4つのブレーキ
(よっつのブレーキ)
買い手の脳に標準装備された、新しいものを買わない方向に働く4つの心理バイアス(現状維持・近視眼・同調性・参照点)を、商談で出る典型セリフと対処とともに整理した基本フレームのこと。
独自用語
Why Now
(ホワイナウ)
買い手が「いつか」ではなく「今」動く理由のこと。現状維持という最強の競合を上回る動機であり、待つものではなく営業側が顧客の中から掘り当て、醸成するもののこと。
独自用語
社内営業ツール
(しゃないえいぎょうツール)
提案書などの資料を、売り手の営業資料ではなく、顧客の担当者が売り手の代わりに社内で営業(説明・稟議)するための道具として設計する考え方のこと。
一般用語(本書での使い方)
現状維持バイアス
(げんじょういじバイアス)
人が無意識に「今のままでいること」を選んでしまう傾向を指す行動経済学の概念。本書では4つのブレーキの①で、提案が競合より先に戦う「何もしないこと」の正体と位置づけるもののこと。
独自用語
稟議支援
(りんぎしえん)
「提案までがこちらの仕事」という線引きをやめ、稟議のフォーマットや過去の類似案件、書きにくい項目を聞き出し、必要なら文面の下書きまで提供して顧客と一緒に稟議書を作る伴走支援のこと。
ページはまだない: 「前向きに検討します」
FAQ
近視眼バイアスとは何ですか?
将来の効果より目先の導入負担を重く感じる法人購買の傾向を、本書が名付けたものです。利益は3年後、手間は今日発生するため、双曲割引で利益が圧縮され「前向きに検討します(=今はやらない)」が生まれます。
近視眼バイアスへの対処法は?
①利益を「近く」に置き換え、「最初の30日で何が変わるか」を主役にして効果試算に初月の数字も載せる。②初期設定や社内説明用資料など「今日の手間」を営業が肩代わりし、買い手にやってもらうことを数えられるほど減らす。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。