独自用語
稟議支援(りんぎしえん)
「提案までがこちらの仕事」という線引きをやめ、稟議のフォーマットや過去の類似案件、書きにくい項目を聞き出し、必要なら文面の下書きまで提供して顧客と一緒に稟議書を作る伴走支援のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
稟議支援とは、提案書を渡したあとの「稟議」の場を顧客任せにせず、稟議書の中身まで一緒に作る伴走支援です。本書では、「稟議はどんなフォーマットですか」「過去に通った似た案件はありますか」「どの項目が書きにくそうですか」と聞き出し、必要なら文面の下書きを提供することを指します。
稟議書を書くのは「推す人」で、書き慣れない新しい商材について、通常業務の合間に、あなたのいない場所で書くことになります。新規の商材には「過去に似たものを買った稟議の前例」もありません。著者(中山健彦)は、「提案まではこちらの仕事、稟議はお客様の社内の話」という線引きこそが新規事業の失注の温床だと述べています。
費用対効果の算定根拠、比較検討の経緯、リスクと対策は、提案書の4ブロック構成が作られていれば材料がそろっています。本書は稟議支援を、前例のない道を一緒に歩くための伴走支援と位置づけ、章末の説明サマリーでは、PoC前の評価基準の共有、利用開始日からの逆算とあわせて営業の標準動作にすることを勧めています。
本書での位置づけ
第9章「稟議書を顧客任せにするな」の節(P217〜218)で初出。ルール6「提案書は、顧客の『社内営業ツール』である」の一部で、章末の上司・決裁者への説明サマリーでは営業の標準動作の一つとして挙げられる。
本文より
「稟議支援は、押し付けがましい営業行為ではなく、前例のない道を一緒に歩くための伴走支援です。」(第9章)
「「提案まではこちらの仕事、稟議はお客様の社内の話」と。私は、この線引きこそが新規事業の失注の温床だと考えています。」(第9章)
関連用語
独自用語
社内営業ツール
(しゃないえいぎょうツール)
提案書などの資料を、売り手の営業資料ではなく、顧客の担当者が売り手の代わりに社内で営業(説明・稟議)するための道具として設計する考え方のこと。
独自用語
Promoter(推す人)
(プロモーター(おすひと))
意思決定4象限マップの第3象限で、体験にも決定にも近い人のこと。現場の実情を知りながら決裁者に直接話を通せ、体験の言葉を決定の言葉に翻訳する、事実上の「社内の営業担当」。
図版・フレーム名
4ブロック構成
(よんブロックこうせい)
提案書を①Why Now②現状→理想③解決策④判断材料の順に組み立てる、3人の読者(推す人・決める人・止める人)に対応するための本書の提案書構成のこと。
独自用語
3人の読者
(さんにんのどくしゃ)
著者が提案書を書くとき必ず想定する、あなたのいない会議室で資料を読む3種類の読み手、推す人(Promoter)・決める人(Authority)・止める人(管理部門)のこと。
一般用語(本書での使い方)
テストクロージング
(テストクロージング)
一般には契約を迫る前に相手の意向を探る問いかけ。本書では「押す代わりに、確認する」、つまり検討がどこまで進み何が残っているかを一緒に確かめるクロージングのこと。
独自用語
受注日からの逆算
(じゅちゅうびからのぎゃくさん)
利用開始日を聞き、契約・法務確認・稟議・決裁者説明と今日まで遡って顧客と一緒に日付を置き、「前向きに検討します」を日付の入った具体的な次の一歩に変える話法のこと。
一般用語(本書での使い方)
PoC
(ピーオーシー)
導入前に解決策の効果を顧客の現場で確かめる実証実験。本書では、無償PoCの「好評」を購買の証拠とみなさず、決裁者と評価基準を先に合意して行うべきもののこと。
FAQ
稟議支援は顧客に嫌がられませんか?
本書によれば、著者が稟議書の中身まで一緒に作った際、お客様からは感謝されこそすれ、嫌がられたことはほとんどないとのことです。本書はこれを、前例のない道を一緒に歩くための伴走支援と位置づけています。
稟議支援では具体的に何を聞けばよいですか?
稟議のフォーマット、過去に通った似た案件の有無、書きにくそうな項目の3点です。費用対効果の算定根拠や比較検討の経緯、リスクと対策は、提案書の4ブロックがきちんと作られていれば材料がそろいます。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。