図版・フレーム名
8つの「ない」(やっつのない)
既存事業にはあって新規事業にはない8つの前提(実績・事例・営業の型・紹介の連鎖・価格の相場・予算科目・前例・成功と失敗のデータ)を対比した第3章の比較表のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
「8つの『ない』」とは、第3章の図3-①「既存事業×新規事業の比較表」に整理された8つの前提のことです。❶実績 ❷事例 ❸営業の型 ❹紹介の連鎖 ❺価格の相場 ❻顧客側の予算科目 ❼顧客社内の前例 ❽成功と失敗のデータ。既存事業は「ある」を使う営業、新規事業は「ない」から作る営業だという対比を一枚にしたもので、本文では「8つの前提」と呼ばれています。
肝心なのは、❺〜❽が売り手だけでなく買い手にも「ない」ことです。相場がなければ稟議書の金額欄が書けず、予算科目がなければどの財布から払うかが決まらず、前例がなければ決裁者は判断の拠り所を失って現状維持に向かいます。第3章冒頭の例では、既存事業の営業2名と営業支援会社を投入しても半年後の受注はゼロでした。営業力ではなく、立っている場所が変わったのです。これが命題②「新規事業の営業は別物」の論拠です。
本書はこの表を、人員の増強より先に、「ない」ものをどう作るかを設計する出発点とします。事例は第11章、営業の型は第10章が対応します。
本書での位置づけ
第3章「『ある』営業と、『ない』営業」(P81〜85)と図3-① 既存事業×新規事業の比較表(P82)。「はじめに」P12〜13の命題②を第3章が論証する形で、章末サマリー(P102)でも「実績・事例・型・相場・予算科目・稟議の前例など前提が売り手にも買い手にも存在しない」と要約される。
本文より
「既存事業は「ある」を使う営業。新規事業は「ない」から作る営業です。」(第3章)
「ご覧のとおり、8つのうち5~8は売り手だけでなく買い手にも「ない」ものです。ここが肝心なところで、新規事業の営業が難しいのは、売り手に武器がないからだけではありません。買い手の側にも、買うための道具立てがないのです。」(第3章)
関連用語
独自用語
実績ゼロ
(じっせきゼロ)
導入実績も事例も人脈もない状態から新しいものを売らなければならない時期や立場を指す、本書全体が想定する営業の出発点のこと。
図版・フレーム名
4つのブレーキ
(よっつのブレーキ)
買い手の脳に標準装備された、新しいものを買わない方向に働く4つの心理バイアス(現状維持・近視眼・同調性・参照点)を、商談で出る典型セリフと対処とともに整理した基本フレームのこと。
図版・フレーム名
顧客が買うまでの6ステップ
(こきゃくがかうまでのろくステップ)
新規事業の営業をDefine・Reach・Insight & Solution・Convert・Retain・Expandの6段階で捉えた地図のこと。役目は現在地の把握にある。
一般用語(本書での使い方)
アーリーアダプター(市場の16%)
(アーリーアダプター(しじょうのじゅうろくパーセント))
ロジャーズの採用者分類で、実績がそろう前でも自ら判断して動く13.5%の人。本書ではイノベーター2.5%と合わせた市場の16%を、実績ゼロでも買いうる相手として扱う概念のこと。
キーメッセージ
事例が事例を呼ぶ
(じれいがじれいをよぶ)
最初の1社の事例に反応して来た「似た会社」を次の事例候補にし、事例が次の事例を生む循環のこと。事例は振り返って書くものではなく、最初の商談から設計して作るという第11章の命題。
独自用語
バーンアウト・ループ
(バーンアウトループ)
「良いものを作れば売れるはず」と信じて商談量を増やすほど、刺さらない相手に量を投下し、学びのないまま事業とチームが燃え尽きへ向かう新規事業特有の負のループのこと。
FAQ
8つのうち、買い手側にも「ない」ものとは何ですか?
❺価格の相場 ❻顧客側の予算科目 ❼顧客社内の前例 ❽成功と失敗のデータの4つです。買い手に買うための道具立てがないため、新規事業の営業の難しさは売り手の武器不足だけでは説明できない、と本書は指摘します。
既存事業のトップ営業を新規事業に投入すれば解決しますか?
本書の答えは否です。第3章の例では既存事業の営業2名と営業支援会社を投入しても半年で受注ゼロでした。実績を語り事例を見せる技術は「ある」ことが前提で、武器庫が空の戦場では別の戦い方が要るとしています。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。