独自用語
体験の言葉と決定の言葉(たいけんのことばとけっていのことば)
「使いやすい」「現場が喜ぶ」などUserに刺さる体験の言葉と、数字とリスクと比較で語られAuthorityに届く決定の言葉は、ほとんど別の言語であるという本書の指摘のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
体験の言葉と決定の言葉とは、Userに刺さる言葉とAuthorityに届く言葉が別物であることを表す本書の言い方です。「使いやすい」「現場が喜ぶ」「デモを見れば分かります」が体験の言葉、数字とリスクと比較で語る言葉が決定の言葉です。Authorityは多くの場合プロダクトを体験しないため、体験の言葉は届きません。
担当者の「便利です」は、顧客が稟議書に書ける言葉になりません。書けるのは「月間◯時間の工数削減」「年間◯円のコスト効果」「リスクへの対処」です。著者(中山健彦)の1社目でも、ツールを触って喜ぶウェブ担当者向けの資料しか持たなかった時期は「好評止まり」でした。
本書では、配置図を描いたら「誰に、どんな言葉で話すか」を書き込み、Userには体験の言葉を、Authorityには数字とリスクの言葉を用意するよう勧めます。二枚の資料はまだ不要で、言語が違う事実をチームで共有すれば十分です。翻訳を担うのがPromoterで、第4章の運用③と第9章の提案書設計に展開します。
本書での位置づけ
初出は第2章の図2-①とAuthorityの説明(P59〜60)、定義は同章「財布と体験のねじれを読む」(P64〜65)。第4章の運用③(Promoterを翻訳者として起動する)と、第9章の社内営業ツールに接続する。
本文より
「体験しない人に、「使いやすい」「現場が喜ぶ」「デモを見れば分かります」といった体験の言葉は届きません。届くのは、数字とリスクと比較の言葉です。」(第2章)
「担当者の「便利です」は、顧客が稟議書に書ける言葉になりません。」(第2章)
関連用語
独自用語
User(使う人)
(ユーザー(つかうひと))
意思決定4象限マップの第1象限で、体験に近く決定から遠い人のこと。現場の担当者など、プロダクトの価値を最も正確に感じ取る「好評の源泉」だが、財布を持っていない。
独自用語
Authority(決める人)
(オーソリティ(きめるひと))
意思決定4象限マップの第2象限で、決定に近く体験から遠い決裁者のこと。部門長・役員・経営者など予算と決裁を握る人で、この人の署名がなければ現場が盛り上がっても1円も動かない。
独自用語
Promoter(推す人)
(プロモーター(おすひと))
意思決定4象限マップの第3象限で、体験にも決定にも近い人のこと。現場の実情を知りながら決裁者に直接話を通せ、体験の言葉を決定の言葉に翻訳する、事実上の「社内の営業担当」。
独自用語
財布と体験のねじれ
(さいふとたいけんのねじれ)
体験価値を受け取る人と、支払いを決定する人が別人であること。多くの商売に程度の差はあれ存在し、BtoBでは組織の階層の中に埋め込まれる構造を指す。
独自用語
社内営業ツール
(しゃないえいぎょうツール)
提案書などの資料を、売り手の営業資料ではなく、顧客の担当者が売り手の代わりに社内で営業(説明・稟議)するための道具として設計する考え方のこと。
独自用語
好評止まり
(こうひょうどまり)
現場でも上層部でも評判はよく、名刺や労いの言葉は集まるのに、お金を払う顧客が現れず、その先へ進まない新規事業の状態を指す本書の命名のこと。
FAQ
決定の言葉とは、具体的にどんな言葉ですか?
本書が挙げるのは「月間◯時間の工数削減」「年間◯円のコスト効果」「リスクへの対処」のように、顧客が稟議書に書ける数字とリスクと比較の言葉です。「便利です」「現場が喜ぶ」は体験の言葉で、決裁者には届きません。
資料を最初から2種類作るべきですか?
本書は「二枚の資料を作る必要はまだありません」としています。まず配置図に「誰に、どんな言葉で話すか」を書き込み、相手によって話すべき言語が違う事実をチームで共有することから始めます。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。