独自用語
現在地の取り違え(げんざいちのとりちがえ)
自分の事業がいまどの段階(期)にあるのかを読み違えたまま、期に合わない打ち手に踏み込んでしまう、バーンアウト・ループが回り続ける本当の原因のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
現在地の取り違えとは、事業がいまどの段階(期)にあるのかを読み違えることです。本書は、優秀で勤勉なチームが正しい方法を知ってなお間違った打ち手に踏み込む理由をここに求め、バーンアウト・ループが回り続ける本当の原因は根性論でも能力不足でもなく、この「現在地の取り違え」だと述べます。
例えば「商談量を増やす」こと自体は悪くなく、勝ちパターンが言語化された段階なら正しい施策ですが、顧客が実在するかさえ確かめていない段階に打つのが問題です。取り違えが起きやすいのは、目に見える結果に対し、原因に正しい仮説を立てずにいきなり打ち手を用意しているときです。
第12章は特に多い取り違えを3つのカルテで示します。営業力不足と結論したが実際は検証期(机上の検証・顧客の不在)だったA社、精度不足と結論したが実際は実証期(機能語りの罠・PoCの壁)だったB社、人手不足と結論したが実際は型化期(エース依存・勝ちパターン未言語化・育成計画の欠如)だったC社です。いずれも打ち手の手前で見立てを誤った構図です。
本書での位置づけ
第12章冒頭の節「「頑張るほど悪化する」ループの正体」(P275〜277)で、序章のバーンアウト・ループの真因として提示される(P276)。節「現在地を取り違える、よくある3つのパターン」(P284〜289)でカルテA・B・Cとして具体化。
本文より
「そう、バーンアウト・ループが回り続けてしまう本当の原因は、根性論でも能力不足でもなく、この「現在地の取り違え」なのです。」(第12章)
「取り違えが起きやすいのは、目に見える結果(売れない・伸びない)に対して、背景や原因に正しい仮説を立てることなく、いきなり打ち手を用意しているときです。」(第12章)
関連用語
独自用語
バーンアウト・ループ
(バーンアウトループ)
「良いものを作れば売れるはず」と信じて商談量を増やすほど、刺さらない相手に量を投下し、学びのないまま事業とチームが燃え尽きへ向かう新規事業特有の負のループのこと。
独自用語
見立て
(みたて)
事業がいまどの期にあり、どのボトルネックにぶつかっているかを、各期の問いに証拠つきで答えられるかどうかによって確かめる、打ち手の前に行う作業のこと。
図版・フレーム名
6つの期
(むっつのき)
事業が売れるようになるまでの段階を、検証期・実証期・開拓期・型化期・拡張期・統合期の6つに分けた、本書の現在地の見立てのフレームのこと。
図版・フレーム名
18のボトルネック
(じゅうはちのぼとるねっく)
事業が売れるようになるまでの6つの期それぞれで起きやすいセールス上のボトルネックを3つずつ、合計18個に整理し、現場で使いやすい短い名前をつけたもののこと。
ツール・シート
自己診断フロー18問
(じこしんだんふろーじゅうはちもん)
6つの期×各3問=18問に「はい/いいえ」で答え、最初に「いいえ」が集中し始めた期を事業の現在地として確かめる、本書の自己診断ツールのこと。
独自用語
誤診
(ごしん)
売れない原因を「営業力」や「プロダクト」のせいと取り違え、売る前の「設計」の問題である3つの根本原因を正しく診断できていない状態のこと。
FAQ
現在地の取り違えはなぜ起きるのですか?
本書によれば、目に見える結果(売れない・伸びない)に対して、背景や原因に正しい仮説を立てることなく、いきなり打ち手を用意しているときに起きやすくなります。3つのカルテ(特定の一社ではない典型例)はいずれも、結果に直接対策を当ててしまった構図です。
取り違えに気づいたら、まず何をすべきですか?
本書は「足すより先にやめる」を勧めています。見立てを誤っているチームはたいてい間違った打ち手をすでに実行しているため、期に合わない打ち手を止めることが最も即効性のある対策で、止めた分の予算と時間が正しい対策の元手になります。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。