独自用語
誤診(ごしん)
売れない原因を「営業力」や「プロダクト」のせいと取り違え、売る前の「設計」の問題である3つの根本原因を正しく診断できていない状態のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
誤診とは、売れない新規事業の根本原因を正しく診断できず、「営業」か「プロダクト」を犯人にしてしまうことです。序章は、3つの根本原因はすべて売る前の「設計」の問題なのに、多くのチームがそれを誤診しているためにバーンアウト・ループが起きていると説明します。
誤診から出てくる打ち手は、既存事業の常識では「正しい」ため、社内の誰から見ても真っ当な努力に見えます。序章の「誤診チェック 5つの問い」は、見送り理由を確認せず営業力の問題だと結論づけた、根拠を確認せず機能追加を決めた、対象顧客と仮説を定めず商談数だけを増やした(①〜③)に心当たりがあれば誤診の最中かもしれないとし、見送り理由や共通する購入理由を根拠とともに説明できない(④⑤)なら、診断に必要な検証データが欠けていると示します。
第12章はこの診断の誤りを「現在地の取り違え」として扱い、6つの期と18のボトルネックで現在地を見立て直す方法を示します。本書は、これは能力ではなく設計の問題であり、設計は学べば誰にでもできると繰り返します。
本書での位置づけ
序章「犯人は、営業でもプロダクトでもない」(P28〜29)で初出。同ページの囲み「誤診チェック 5つの問い」が対応ツール。第12章では「現在地の取り違え」「見立て」の言い方で展開され、カルテAの見出し「型化期と誤診された、検証期の事業」の形で出る。
本文より
「しかし、多くのチームでは、この根本原因を正しく診断できない——「誤診」していることによって、バーンアウト・ループが起きているのです。」(序章)
「①・②・③に心当たりがあれば、あなたのチームは「営業」か「プロダクト」を犯人にする誤診の最中かもしれません。」(序章)
関連用語
図版・フレーム名
3つの根本原因
(みっつのこんぽんげんいん)
売れない新規事業に共通する3つの原因。①「誰に売るか」未定のまま量を投下、②「効果があるか」未確認のまま拡販、③人脈依存のまま「売れた」と錯覚、のこと。
独自用語
バーンアウト・ループ
(バーンアウトループ)
「良いものを作れば売れるはず」と信じて商談量を増やすほど、刺さらない相手に量を投下し、学びのないまま事業とチームが燃え尽きへ向かう新規事業特有の負のループのこと。
独自用語
現在地の取り違え
(げんざいちのとりちがえ)
自分の事業がいまどの段階(期)にあるのかを読み違えたまま、期に合わない打ち手に踏み込んでしまう、バーンアウト・ループが回り続ける本当の原因のこと。
独自用語
見立て
(みたて)
事業がいまどの期にあり、どのボトルネックにぶつかっているかを、各期の問いに証拠つきで答えられるかどうかによって確かめる、打ち手の前に行う作業のこと。
図版・フレーム名
6つの期
(むっつのき)
事業が売れるようになるまでの段階を、検証期・実証期・開拓期・型化期・拡張期・統合期の6つに分けた、本書の現在地の見立てのフレームのこと。
図版・フレーム名
18のボトルネック
(じゅうはちのぼとるねっく)
事業が売れるようになるまでの6つの期それぞれで起きやすいセールス上のボトルネックを3つずつ、合計18個に整理し、現場で使いやすい短い名前をつけたもののこと。
ツール・シート
自己診断フロー18問
(じこしんだんふろーじゅうはちもん)
6つの期×各3問=18問に「はい/いいえ」で答え、最初に「いいえ」が集中し始めた期を事業の現在地として確かめる、本書の自己診断ツールのこと。
独自用語
売り方の設計ミス
(うりかたのせっけいミス)
「誰に・なぜ今・どう買ってもらうか」が設計されないまま売る活動を始めてしまうこと。本書が新規事業の敗因として、プロダクトの欠陥より重く見るもののこと。
FAQ
自分のチームが誤診しているかどうかは、どう確かめればよいですか?
序章の「誤診チェック 5つの問い」を使います。見送り理由を確認せず営業力の問題と結論づけた、根拠を確認せず機能追加を決めた、商談数だけを増やした、のいずれかに心当たりがあれば、誤診の最中かもしれません。
誤診と「現在地の取り違え」は同じ意味ですか?
序章では根本原因の診断の誤りを「誤診」と呼び、第12章ではそれを事業の段階(期)の読み違え、つまり「現在地の取り違え」として扱います。正しい見立ては「いまどの期の、どの問いに答えられていないのか」を確かめることから始まります。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。