独自用語
3人の読者(さんにんのどくしゃ)
著者が提案書を書くとき必ず想定する、あなたのいない会議室で資料を読む3種類の読み手、推す人(Promoter)・決める人(Authority)・止める人(管理部門)のこと。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
3人の読者とは、著者(中山健彦)が提案書を書くときに必ず想定する3種類の読み手です。1人目は「推す人」。Promoterで、多くは商談相手。味方ですがプロダクトの専門家ではなく、上司の「それ、何がいいの?」に答えられません。必要なのは3分で再演できる「語れる要約」です。2人目は「決める人」。予算を握る部門長や役員(Authority)で、資料を読むのは数分。探しているのは判断材料で、なぜこの会社か、なぜこの解決策か、なぜ今期かの3つの問いに、撤退可能性などを添えます。3人目は「止める人」。法務・情報システム・購買・経理など、リスクの観点から案件を審査する管理部門です。敵ではありませんが、問いに資料が答えていなければ案件は「差し戻し」になります。
重要なのは、提案書が商談の後に独り歩きし、あなたの代わりに質問に答える「社内営業ツール」だからです。本書はこの3人に対応する「4ブロック構成」で提案書を作り、テストクロージングのレベル②で3人の顔ぶれを確かめることを勧めています。
本書での位置づけ
第9章「提案書の3人の読者——推す人・決める人・止める人」(P213〜214)。図9-②(P212)が3人の立場・探しているもの・恐れているものの一覧で、図9-①「あなたのいない会議室」が前提図。続く「4ブロック構成」の設計根拠になる。
本文より
「私は提案書を書くとき、必ず3人の読者を想定するようにしています。」(第9章)
「止める人は敵ではありませんが、こうした問いに資料が答えていなければ、案件は「差し戻し」になります。」(第9章)
関連用語
独自用語
社内営業ツール
(しゃないえいぎょうツール)
提案書などの資料を、売り手の営業資料ではなく、顧客の担当者が売り手の代わりに社内で営業(説明・稟議)するための道具として設計する考え方のこと。
独自用語
あなたのいない会議室
(あなたのいないかいぎしつ)
商談のあと、売り手が同席できないまま提案書だけが回覧・転送され、顧客の社内で提案の可否が決まる場のこと。勝敗はほとんどの場合ここで決まる。
図版・フレーム名
4ブロック構成
(よんブロックこうせい)
提案書を①Why Now②現状→理想③解決策④判断材料の順に組み立てる、3人の読者(推す人・決める人・止める人)に対応するための本書の提案書構成のこと。
独自用語
Promoter(推す人)
(プロモーター(おすひと))
意思決定4象限マップの第3象限で、体験にも決定にも近い人のこと。現場の実情を知りながら決裁者に直接話を通せ、体験の言葉を決定の言葉に翻訳する、事実上の「社内の営業担当」。
独自用語
Authority(決める人)
(オーソリティ(きめるひと))
意思決定4象限マップの第2象限で、決定に近く体験から遠い決裁者のこと。部門長・役員・経営者など予算と決裁を握る人で、この人の署名がなければ現場が盛り上がっても1円も動かない。
一般用語(本書での使い方)
テストクロージング
(テストクロージング)
一般には契約を迫る前に相手の意向を探る問いかけ。本書では「押す代わりに、確認する」、つまり検討がどこまで進み何が残っているかを一緒に確かめるクロージングのこと。
FAQ
「止める人」は敵なのですか。
本書は「止める人は敵ではありません」と明言しています。会社を守るためにセキュリティや契約条件、実績を確認している人たちです。資料がその問いに答えていなければ、案件は却下ではなく「差し戻し」になり、検討が遅れて商談の熱も下がります。
3人の読者が誰に当たるかは、どう確かめますか。
テストクロージングのレベル②「プロセスの確認」で、誰の承認が必要か、稟議にどんな資料が要るか、社内で誰に見てもらえそうかを聞きます。答えが返ってくれば3人の顔ぶれが具体的に分かると本書は述べています。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。