独自用語
あなたのいない会議室(あなたのいないかいぎしつ)
商談のあと、売り手が同席できないまま提案書だけが回覧・転送され、顧客の社内で提案の可否が決まる場のこと。勝敗はほとんどの場合ここで決まる。
更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。
あなたのいない会議室とは、商談のあと、売り手が同席できない顧客社内の場で、提案が回覧・転送・稟議添付されて可否が決まる場面を指す本書の言葉です。第2章は「私の提案は、私のいない会議室で、私が会ったことのない誰かに否決されたのです」という著者(中山健彦)の失注体験から始まります。
重要なのは、BtoBの購買が「個人の決断」ではなく「組織の合意形成」だからです。本書が引くガートナーの調査では、複雑なBtoBソリューションの購買グループは5〜16人で構成されます。直接会って話せるのは多くの場合1人から3人で、残りの人が接するのは、回覧・転送され、稟議書に添付された提案書だけです。
本書の打ち手は2つです。第2章では、配置図で登場人物を把握し、代わりに戦ってくれる「社内の営業担当」であるPromoterを見つけること。第9章(ルール6)では、提案書を「話す資料」ではなく「読む資料」として設計し、あなたの代わりに質問に答え、反論をさばき、予算を使うべき理由を語る「社内営業ツール」にすることです。
本書での位置づけ
初出は第2章冒頭「あなたの提案は、会ったことのない人に否決されている」(P55〜56)とPromoterの説明(P60)。第9章の章題「あなたのいない会議室で、提案は決まる」と図9-①(P208)で主題化される。
本文より
「私の提案は、私のいない会議室で、私が会ったことのない誰かに否決されたのです。」(第2章)
「勝敗は、ほとんどの場合、あなたのいない会議室のほうで決まるのですから。」(第9章)
関連用語
独自用語
Promoter(推す人)
(プロモーター(おすひと))
意思決定4象限マップの第3象限で、体験にも決定にも近い人のこと。現場の実情を知りながら決裁者に直接話を通せ、体験の言葉を決定の言葉に翻訳する、事実上の「社内の営業担当」。
独自用語
社内営業ツール
(しゃないえいぎょうツール)
提案書などの資料を、売り手の営業資料ではなく、顧客の担当者が売り手の代わりに社内で営業(説明・稟議)するための道具として設計する考え方のこと。
図版・フレーム名
意思決定4象限マップ
(いしけっていよんしょうげんマップ)
案件の登場人物を「体験への近さ」と「決定への近さ」の2軸で、User・Authority・Promoter・Non-Moverの4象限に置く配置図のこと。営業設計の基本ツール。
独自用語
3人の読者
(さんにんのどくしゃ)
著者が提案書を書くとき必ず想定する、あなたのいない会議室で資料を読む3種類の読み手、推す人(Promoter)・決める人(Authority)・止める人(管理部門)のこと。
ルール
ルール6 提案書を顧客の「社内営業ツール」にする
(ルールろく ていあんしょをこきゃくのしゃないえいぎょうツールにする)
7つのルールの6番目で、提案書を売り手の営業資料ではなく、顧客担当者があなたのいない会議室で社内の関係者へ判断材料を届けるための「社内営業ツール」として設計する原則のこと。
図版・フレーム名
4ブロック構成
(よんブロックこうせい)
提案書を①Why Now②現状→理想③解決策④判断材料の順に組み立てる、3人の読者(推す人・決める人・止める人)に対応するための本書の提案書構成のこと。
FAQ
担当者が好意的なのに失注するのはなぜですか?
断ったのは目の前の担当者ではなく、会ったことのない誰かだからです。BtoBの購買は組織の合意形成で、あなたの説明は会議室では関与者の一人が持ち込んだ十数件の情報の一つにすぎない、と本書は指摘します。
同席できない会議室に、どう影響を与えればよいですか?
本書の打ち手は2つです。代わりに戦ってくれるPromoterを見つけて翻訳を一緒に作ること、そして提案書を口頭の補足なしで読める「読む資料」として設計し、顧客の社内営業ツールにすることです。
出典: 『ゼロイチ営業』(中山健彦・株式会社MarchOn)。更新日 。版: ゲラ準拠・第12章改稿版準拠。引用は1ページあたり2件まで。